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和田タイチョーの日々を綴る和田探検隊日誌

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2012年6月 6日 (水)

金星の太陽面通過

ハワイ時間6/5は天文マニアで大賑わいでした。

金星が太陽面を通過するという事で、大量の観測者がハワイ島に来たため、マウナケアはピストン輸送のバンのため一般車は通行止め。サドルロードもポリスが出て交通整理をしていたと聞きます。

私は太陽観るのに山に登る事はないので、海沿いのNELHA(ハワイ州立自然エネルギー研究所)の海岸で観測しました。

Netで調べたら12:08頃から始まるとの事でしたが、9分になっても確認できませんでした。12:14頃には肉眼でもはっきりと確認できました。

先月の金環日食の影響で、望遠鏡の前玉にかぶせるソーラーフィルターが売り切れで買えなかったため、部分日食の時と同じアルミ製のエマージェンシーブランケットを2重にしてフールドスコープの前に貼り、大幅に減光するという方法で観測&撮影しました。

機材は前回の部分日食と同様、Nikon のED82-A フィールドスコープ+なんちゃてソーラーフィルター、Nikon ワイドDS30倍、Nikon1 V1、専用デジスコーピングカメラブラケットです。

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12:09の写真です。黒点以外何も見当たりません。写真は全てクリックすると大きくなります

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12:14 この写真の太陽の縁の左上に黒い小さな影のようなものが見えます。

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12:29 金星の姿がはっきりとわかりますね。左の黒いホクロのようなシルエットが金星です。なるべく太陽の北極が上になるようにしていますが、時間経過と共に若干ずれます。黒点の位置を基準にして太陽と金星の位置関係を確認してください。

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12:40 だいぶ内側に入り込んできました。

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少し拡大してみました。金星暑そう!地表面の気温は極地域から赤道地域までほぼ460℃!大気の約96%が二酸化炭素ということで、温暖化により受けた熱が逃げにくく毛布に包まったように温まっています。地表面の温度は最も太陽に近い水星よりも高くなっています。

金星は地球とほぼ同じ大きさの惑星で、太陽系の中では最も地球に似た天体といわれています。しかし現在の環境は大きく異なります。金星にもかつて地球のように海があったと主張する学者もいます。もしそうだとすると、大量の海の水は太陽の熱で蒸発してしまった事になります。もともと海は誕生しなかったかもしれません。いずれにしてもほんのちょっと太陽に近すぎた事(地球と太陽の平均距離の72%)が金星を死の惑星にしてしまったのです。

海の水が全て大気になるわけですから大気の量は桁違いで、気圧は地球上で900mの海に潜った圧力です。ハワイ島で言えば海底火山ロイヒの山頂付近の圧力に近いという事になります。

海の水には大量の二酸化炭素が溶け込んでいます。それが大気に出たり、岩石に取り込まれていた炭酸塩(CO3)も熱などでCO2を大気に放出します。気温が上昇すると水温が上がり海の蒸発量が増えます。すると海に解けていたCO2が放出されさらに温暖化し、海の水の蒸発が盛んになりCO2が放出・・・という温暖化の暴走が始まり、ついには海の水が全て蒸発。今のような生き物とは無縁な世界になってしまったという事でしょうか。

地球は太陽との距離が絶妙だったのでしょう。太陽と地球の距離を1AU(Astronomiccal Unit)といいます。約1億5千万キロです。これがほんのわずか近くても遠くても水が液体で長期間あり続ける事ができず、凝固、沸騰ということになってします。

地球誕生から8億年の年月を経て生命が誕生し、その後4億年もかけて光合成する生き物へと進化し、ゆっくりと海に酸素を放出していきます。当時海水には大量の鉄イオンが溶け込んでいましたが、酸素が不足し酸化できず海は緑色だったそうです。やがて酸素の供給を受けて鉄が酸化し沈殿して鉄鉱石というありがたい資源も生まれました。

鉄の酸化が終わると余った酸素は大気に放出され始め、オゾン層が生まれ有害な紫外線を防ぐようになり生命が上陸を始める。一気に生息域を広げ、今から約5億年前にはカンブリア爆発という爆発的な生物進化が起こりました。

その間もその後も地球生命は決して安定した進化をしてきたわけではなく、幾度と無く全生命の80~90%という大量絶滅をしてきました。隕石の衝突、スーパープリューム噴火などよく生き残ったなと感心するほどの大惨事を乗り越えて今の地球生命があります。

今まであったのですから、今後も大量絶滅を起こす大惨事が起こるはずです。しかし、根絶やしにはならずに今があるので、人間が滅んだとしても何かは生き延びる事でしょう。

地球も温暖化が進んだ場合、海底から大量のメタンが放出され、温暖化の暴走が起きると言っている学者もいるようです。そうなれば今の金星のような地球になるかもしれません。その時は生命は絶える事でしょう。宇宙戦艦ヤマトに出てくる地球のようにはなりたくないですね。

話しは脱線しましたが、今日は金星と太陽を眺めていて本当にいろいろな事を考えました。今の幸せを感じずに、くだらない事で怒ったり、しょんぼりしたり。人間は厄介ですね。

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13:21の写真です。この後撤収して家に帰りました。

いやぁ~すごい日差しでした。上ばっかり見上げてたので顔が真っ赤になってしまいました。普段髪の毛が守ってくれてたんですね。今世紀最後の金星の太陽面通過はなかなか感慨深いものでした。出かけていって良かったと実感しました。一人で本当に楽しい時間を過ごせました。ありがとう金星君、太陽さん。

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